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私の職業はタレントです−今の職業を選んだ理由−

3月はバタバタの月。

年度の変わり目だったり、何かからの卒業のタイミングだったり。

何かと忙しいという人が多いと思います。

かくいう私も今とてもバタバタしています。

個人事業主の私は、以前記事でも書いたのですが、現在もらっている大きな仕事の契約が切れ、春から事実上無職のような状態になってしまうタイミングでもありました。

【前記事参照】

www.chikarinadhd.com

3月になっても次の仕事は決まらないし、両親からは心配されるし、どうしたものかなーと思っていたのですが、ギリギリなんとか仕事が一つ決まりました。

今後は精神障害者保健福祉手帳の取得と、発達障害者支援センターや当事者会、病院などを利用しながら自立した生活を目指して前に進む努力をしたいと思っています。

発達障害を抱える人の仕事について

今年は自分にとって大きな転機で、去年から一年かけて今後の生き方をどうするのか今までにないくらいたくさんたくさん考えました。

仕事を考えるということは、自分の人生を考えるということなんだなと実感しました。

そうしているうちに、当事者のみんなはどんな仕事、職業に就かれているのかなーとふと疑問に思ったんです。

発達障害といってもいろいろあるし、ADHDとASDなど同じ特性を持っていても困りごとや特性の現れ方は人それぞれです。

みなさんはどんな仕事をされていて、その仕事を少しでもやりやすくするためにどんな工夫をされていますか?

Twitterでもらった意見では、仕事については、「専門職」「事務職」「接客業」「その日限りで終わる作業でら監督者に支持を仰げる現場」「短期の仕事」「自分の得意にハマる仕事(ニッチなもの)」「無職」「水産加工業」「測量」「派遣社員」「デザイン」「塾(予備校)講師」「アンケート集計」本当に様々でした。

朝、上司が1日の簡単なスケジュール組と優先順位を付けてくれて、何時でも質問していい環境を作ってくれているという方や、やるべきことが決まっていて臨機応変さが求められない予備校教師がピッタリ合ったというはなしをきいたことがある、と教えてくれた方もいました。

工夫については、「メモする」「ノートを一冊にまとめる」「Siriを活用してスケジュール管理」「平常心を保つ」「To doリストをつくる」などがありました。

ネットや書籍を見ていると発達障害の傾向によっては、事務職は向かないとか接客業は向かないとかいろんな意見もありますが、実際はその仕事に就いている人も沢山いますよね。

私の職業について

私は今まで仕事についてはネット上では公開してきませんでした。

それが本当だと証明する手段がないし、個人情報を知られることに抵抗があったからです。

もし特定されてしまったら、自分の仕事によくない影響が出たりお世話になっている人たちに迷惑をかけてしまうかもしれないとも思いました。

でも反対に、それを公開することで同じように仕事に悩んでいる人の参考になるかもしれない、誰かが興味を持ってくれるかもしれないとも思っていました。誰も私の仕事に興味なんてないかもしれないけれど(笑)

今回一つの大きな仕事を終えるこのタイミングで、公開しようと思います。

私の職業はタレントです。

タレントとは、英語: talent に由来する語句であり、日本においては、テレビやラジオなどのメディアおよび各種イベントに出演し出演料を得ることを収入源としている人(本業としている人だけでなく、副業や一種のアルバイトとしている人なども含めて)の一般的呼称のことである。

タレント – Wikipedia

テレビやラジオなどのメディアおよび各種イベントに出演して出演料をもらって仕事をしています。

出演料もドーンと大きな収入があるという訳ではなく細々と働いているので、一般的にイメージされる「芸能人」や「タレント」のような華やかなものとは違うかもしれませんが。

どこか一つの大きな事務所に所属しているわけではなく、基本的には個人事業主です。

いくつかの事務所と契約していてそこからお仕事を頂いたり、まったくの個人としてご依頼いただいてお仕事をさせていただくこともあります。

同時に作家活動もしていて、そちらでも月に数千円~数万円ほどですが細々と収入を得ています。

今までのツイートや記事の中では「局」と書くと職業が分かってしまうので「会社」としたり、あえて内容を書かなかったり、他にも小さなフェイクをいろいろ使ってきたので読みづらいところがいろいろあったと思います。すみません。

なぜこの仕事を選んだのか

ちなみに、「発達障害」「タレント」と聞くと栗原類さんや黒柳徹子さん、パリス・ヒルトンさん、ウィル・スミスさんなどを思い浮かべるこ人も多いと思います。

私はこの方たちのような「有名人」ではないということを先にはっきりさせておきます。

私がタレントという職業を選んだのは、この職業なら自分のちょっと変わっているところを武器にできるかもしれないと思ったからです。

子どものころから、自分が周りの人たちとうまく足並みを揃えられなかったり、得意不得意がはっきりしていたり、ちょっと変わっていると言われていることには気づいていました。表現することが好きでずっと続けていきたいと思ってきました。

そして、人の思いを伝えるお手伝いがしたい!自分の表現で人が笑ったり感動したりしてくれるのが嬉しい!ということもありました。

この仕事をしていて良かったと思うこと

この仕事でないと出来ないであろう経験を沢山させてもらっています。

例えば……

  • 海や畑に行って旬の採れたての幸を頂くこと
  • テーマパークの新しいアトラクションを公開前に体験させてもらうこと
  • 発売前の商品をひと足早く食べたり体験させてもらうこと
  • 知り合いでもない方に突然お電話して主催のお願いをし、後日お宅に実際ににおじゃましてお話を聞かせてもらうこと
  • 公開前の映画をひと足早く見せてもらうマスコミ試写会
  • 一般の方は入れない施設や部屋へ取材で入らせていただけること

こんなに恵まれているのに、仕事になってしまうと純粋な気持ちで楽しんだり感動したりする気持ちよりも、仕事としてカタチにする事に追われて目の前の人や物が見えなくなってしまうことがあります。

そしてその度に叱られ、時に本気で人を怒らせてしまい後悔します……。

それほどいろんな経験をさせてもらっています。

この仕事をしていて特に大変なところ

沢山あるし、毎日がつまづきの連続なのですが、特に大変だと感じたことをいくつか挙げます。

ぜんぶ自己責任・自己管理

私にはマネージャーはいません。

スケジュール調整も請求書などのやり取りも、段取りを組むのも基本的にはすべて自分で行っています。

これは私にとって大変なことです。

私と同じような働き方をしているタレントの友達は、そのあたりのやり取りもとてもうまくこなしていて、周りからの評判も良く、色んな人から仕事の依頼があります。

一方私は、メールの返信もこまめにはできず3日返事ができないのはよくあること、事務所兼部屋は散らかり放題、ダブルブッキングや遅刻をしたこともありました。

マナーや一般常識の欠落、重要文書の書き間違いなどが重なって決して周りからの評判がいいほうではありません。

ちゃんとしたいのですが、なかなかうまくいきません。

こんなことを言うと言い訳になってしまうし、余計心象を悪くするのでTwitterやブログくらいでしか言えないんですけどね。

いつもなんだか気が抜けない

「素敵な人でいたい」

私がどうしても抜け出せない落とし穴です。

子どもの時からずっと、片付けができない、無くし物・忘れ物が多、うっかりミスが多い、約束を忘れる、時間が守れない、身だしなみをきちんと整えられない、余計な一言を言ってしまうなど、最低限出来ておきたいようなことすら出来なくて、叱られ呆れられ落ち込み悩んできました。

だから余計に「自分のダメな部分をなんとか取り繕いたい」「少しでも素敵に見せたい」という思いが強いんです。

この仕事をしている以上、自分が周りからどう見られているかは気にしなければなりません。

私は、自分を分かってくれる人だけに分かってもらえればいいのだ!という孤高のアーティストタイプならいいのですが、その面で言えば私は好感度を大切にしなければならない仕事を抱えているので、やはり自分勝手なことは出来ません。

これは私に限ったことではなく、発達障害を抱えている多くの人が、少しでも周りの人に迷惑をかけないように、少しでもミスをしないように、少しでも今の自分より成長てできるように、と思いながら一生懸命に生きています。

自分で選んだ道ですが、時々、その好感度とやらを無視してそんなの何も気にしていなかったあの時のように振る舞えたら、と考えてしまう時もあります。実際はそれも怖くてできないんですけどね。

そうやって悩んでいる時に、ずっとこの悩みが続くのは大変だな……と思います。

私の言ったことが大勢の人に届いてしまう

大勢の人に届けられることは素敵なことだし、とても有難いことです。

でも、うっかり言ってしまったことや、ついついやってしまったこと、失敗してしまって誰にも見られたくないものも「届いてしまう」のです。

「うっかり」や「ついつい」の多い私はいつも不安と戦っています。

よくミスをする私は自分の行動に自信がなくて、自己肯定感が低いです。

なかなか自分が好きになれません。

それなのにタレントをやっています。

テンパって目が泳ぎ、頭は真っ白で、額にひや汗をダラダラかいている状態でもステージの上でやるべき事をこなさなければなりません。

本当にその場から消えてしまいたくなります。

大事なスポンサー様のコーナーで、出演者の名前を言い間違えたり、イベントの会期が分からなくなって、「イベントの会期は(うわ~20日までだっけ……21日までだっけ……確認し忘れたな……多分21だよな……)21日までです( ^^ )」と曖昧なまま発言して、あとで20日までだと分かり後から訂正コメントを入れてもらうというご迷惑をおかけしたこともあります。

言ってしまったらもう訂正は利きません。誰も聞いていなければいいのに……と願っても後の祭り。「届いてしまう」のです。

やってしまった時は、今すぐ地球が爆発すればいいのにとバカなことも真剣に考えてしまいます。

テレビに映るなんて、イベントでステージに立つなんて「自分によっぽど自信があるんだね」「自分のことが好きなんだね」と言われることはよくあるし、「人見知りなんですよ」「コミュニケーションが苦手で……」と言うと「嫌味ですか?」と白い目で見られたこともあります。

嘘じゃないんだけどなぁ……。

むしろ、人に面と向かってハッキリとそんなことを言えるあなたのハートの方がよっぽど強いと思う……と心の中で思いな今にも泣き出しそうな気持ちでした。

「台本が覚えられない」かといって「臨機応変」なアドリブにも対応できない

タレントの仕事は、臨機応変さが求められる場合がほとんどです。

たとえ収録モノでも、収録している時は生で進行しています。

当然不測の事態は起こるし、生モノなのでその場その場で対応をかえ無ければなりません。

そして、イベントやテレビの場合は特に台本をしっかり頭に入れておかなければなりません。

映画や舞台の場合は台詞と立ち位置や動きを全て覚えなければなりません。

全てメモする時間はないので、言われたことを確実に頭に入れなければなりません。

そこ一番苦手なとこー((((;゚Д゚))))

ワーキングメモリー低いのに台詞と立ち位置と監督が付けてくれた演出を一回で覚えるとか、自分には不可能なんじゃないかと思ってしまいます……。

台本を覚えることができなくてもアドリブで華麗に対処できるくらいのずば抜けた才能があればまた違うのかもしれないけれど、あいにく私にはそういう能力はなさそうです。

そのまた逆もしかり。

コミュ障

失敗ばかりしてきて、「変わってるよね」言われすぎでて、いつからか人と話すのが怖くなりました。

一人の時間が唯一リラックス出来る時間。

雑談とか始め時も終わり時も分からないし、友だちと遊びに行っても何を話せばいいのか、なんて答えるのが正解なのか不安で不安で分からなすぎて息が苦しくなる。

人と目を合わせるのが怖くて、廊下ですれ違っても「…おつかれさまです……」と伏せ目がちになってしまう。

エレベーターに乗ったら、みんなが降りるか自分が降りるまで、キョロキョロ、モジモジ、ソワソワして落ち着かない。

新入社員の方がよっぽどマトモな社会人に見える

そんな私が、イベントでたくさんの人の前で話したり、生放送で喋ったり、タレント扱いを受けたり……実はずっと緊張してずっとソワソワしています!

それでも本番はやってくる……。

一人になりたい……

気分が落ち込んで誰とも会いたくないのに人と会って話すのが仕事。

そっと一人にして置いて欲しいのに現場ではいつも誰かと一緒。

今日は一歩も外に出たくなくて家に引きこもりたいくらいの気分なのに、人から見られるのが仕事のうち。

そもそもあまり周りから口出しされたくない性格で、作業中は一人で黙々と物事に向かっていたい方なのに、私の仕事は「チームで作り上げる」もので、その最終バトンをもらって全てを汲み取ってカタチにする仕事。

「言葉で言わなくても通じ合う」とか「みんなの気持ちを汲み取る」とか私がとても苦手なところです……。

できない。だから辛い。

頭の中がぐちゃぐちゃでパニックになっているのに、私の頭の中は周りから見えないからどんどん話しかけられて、全然考えがまとまらないまま本番を迎えて大トチリしたことが数え切れないほどあります。

それでも「一人にしてください」「集中したいので今は放っておいてください」が言えないんです。

一度聞いたことを覚えて、決して忘れず実行しなければならない

私にとってはなかなかインポッシブルなミッションです……。

耳で聞いたことを記憶しておいて実行することが大の苦手だということはWAISの結果からも明らかなのですが、この仕事は常にそれが要求されます。

ナレーションは得意だけど、フリートークは目も当てられない。

アンタこの仕事向いてないんじゃないの?

ここまで書くときっと読んでくれている人の殆どがそう思ったと思います。

実際「人には向き不向きというものがあってだな……」とか「いつまでも夢を追いかけていないで……」というような事を周りから諭されるのはよくある事です。

でも辞められないのは、きっとこの仕事が好きだからです。

この仕事をやっていなかったら絶対に経験できなかったような嬉しいこと、素敵な出会いが今までに沢山ありました。

毎日のように違う人と、違う場所で働き、色んなものを見て、体験させてもらえる。
これは、常に刺激を求めてしまう私の特性にぴったりハマったのだと思います。そして、その魅力は他の辛いことや悲しいことを上回るほど、私にとってはとっても魅力的。

仕事で人と関わることをやめられない分、休みの日や仕事が終わった後は一人で過ごすことが多いです。

周りに気を使わなくていいし、自分のペースで動けるので。

友達はほとんどいないですね。

周りのみんなみたいに人付き合いがうまくできなくて、本当に自分ってダメなやつだなとおもうし、時々寂しいけどこのおかげでなんとかギリギリのところでバランスを保てています。

結局私はこの仕事が好きだから、やめられないんだろうなー。